投稿者:aki

 

 

 

崎谷博征『マスクはまだ有効だと思っている人へ』

 

 

『マスクはまだ有効だと思っている人へ』

 

 

マスクに関するエビデンスをいくつかお伝えしてきましたが、その真意はほんの一部の人にしか伝わっていないことは理解しています(これは私の説明不足が多分にあると思いますので、今後著作で補強していきますね。

 

 

私がお伝えしたい真意は、マスク議論はそもそも無意味であり、枝葉末節(感染症という病態の本質的な議論にはなり得ない)であるということ。

 

 

その上で、その不毛な議論と同じ土俵に立っても、かなりのフェイクサイエンスがまかり通っていることがその真意です。

 

 

マスク議論にそもそも意味がないのは、その前提が「病原体が存在し、その病原体が病気を引き起こす」という“germ theory”だからです。

 

 

150年前に、病原体が外から体内に侵入して病気が引き起こされるという仮説は、いまだに証明されたことがありません(いずれ著作にしてまとめますね)

 

 

そして仮に“germ theory”の前提に立ったとしても、ネイチャーやランセットに掲載される新型コロナウイルス感染症(covid-19)は、エビデンスレベルが著しく低いものや研究そのものに瑕疵があるものが非常に多いのです。

 

 

前回もお伝えしましたが、相関関係を因果関係と誤認させるような疫学的調査や信頼性の低いアンケート(redcall bias)に基づく調査などです。

 

 

 

あるいは、実験室内という特殊な環境で無機的な解析や数理モデルのコンピュータ済レーションをしているものです。

 

 

この場合は、実際の私たちが生きている生活空間にあてはまることはほとんどありません。

 

 

数理モデルによる解析も天気予報とほとんど変わりません(天気予報の方がまだあたることがある・・・)

 

 

なぜなら、実生活においては、健康状態や病気の発症には多数の要因が絡みあっているからです(これを交絡因子、confounding factor といいます)。

 

 

しかも、病原体が感染症を発症させるという“germ theory”という仮説(一度も証明さrていない!)に基づいた調査でしかありません。

 

 

本当に病原体が存在し、それを例えば吸い込むことで病気(仮に感染症としておきましょう)が発症するのであれば、飛沫やエアロゾルを通しにくいレスピレーター(N95 respirator)とよばれるものを装着すれば、感染症は低下するはずです。

 

 

エアロゾルでも2.5μm以下のサイズは小さな微粒子(fine smaall particle)に分類されます。

 

 

レスピレーター(N95 respirator)は、穴のサイズが0.3-0.5μmですから、それ以上の大きさのエアロゾルは通さないはずです。

 

 

しかし、レスピレーターと病院のスタッフが装着している化学繊維のサージカルマスク(今では一般の人もしている)との比較では、感染率に有意な差がでていません。

 

 

(J Evid Based Med.2020;1-9)(JAMA.2019;322(9):824-833)(Clin Infect Dis.2017 Nov 13;65(11):1934-1942) (CMAJ Mar 2016,cmaj.150835)。

 

 

病原体や空気感染や飛沫感染することで感染症が発症するという仮説が正しいのであれば、穴の小さい方レスピレーター(N95 レスピレーター)が感染率は低下するはずです。

 

 

ちなみに、インフルエンザウイルスに関しては、サージカルマスクも布マスクも通り抜けます(前者が44%、後者が97%通過)(BMJ Open,2015;5(4):e006577)。

 

 

 

コロナウイルスに関しては、サージカルマスクも布マスクも通り抜けるという結果を示した論文はなぜか?撤回されています(『Notice of Retraction:Effectiveness of Surgical and Cotton Masks in Blocking SARS-CoV-2』)。

 

 

今回ご紹介したマスクの研究は、ランダム化標準試験(RCT)と呼ばれるもので、新型コロナウイルス感染症で発表されている疫学的調査(ランダム化していない、コントロール群との比較もない!)よりもエビデンスレベルが高いものです(ただし、所詮は疫学的調査なので、それだけでは相関関係しか示唆できない)。

 

 

新型コロナウイルス感染症に限らず、感染症において、レスピレーターやマスクが感染予防に有効であることを示唆するようなランダム化標準試験(RCT)は、私が渉猟する限りでは、みたことがありません(前回ご紹介したランセットの観察研究もランダム化標準試験(RCT)ではない)。

 

 

したがって、誤った前提(“germ theory”)に立ったとしても、マスクの有効性を示す確固たるエビデンスはないばかりか、その逆のエビデンス(マスクの害悪)しか見当たらないのです。

 

 

2009年の研究論文では、レスピレーターを装着ていると頭痛が頻繁に起こることが報告されています (Am J Infect Control.2009 Jun;37(5):417-419)。

 

 

一時間装着すると頭痛の頻度が高まり、かつ呼吸困難(窒息)を訴えます(Respiratory Care January 2020,respcare.06713)。

 

 

これはリアルサイエンスでは当然の結果です。

 

 

密閉したマスクを装着することで、酸素欠乏になり、ストレス反応(糖のエネルギー代謝低下)が起こるからです。

 

 

さらに・・・・・

 

 

医療機関では昔から医療機器の消毒・殺菌にエチレンガス(ethylene oxide)を使用しています。

 

 

このエチレンガスは発がん性および妊婦には催奇形性をもつことは過去記事でもお伝えしましたが、CDC(米国疾病予防センター)でさえ警告していることです。

 

 

多くの医療機関(特に米国)では、コスト削減のためにN-95などのレスピレータマスクをこのエチレンガスで消毒して、再利用しています(CHICAGO TRIBUNE |APR 29,2020)。

 

 

つまり医療従事者は、再利用マスクでエチレンガスを吸引することになるのです。

 

 

専門家も含めて大衆のほとんどは、反対意見の論文がネイチャーやサイエンスなどの“権威”のあるジャーナルから出るとその都度右往左往するのは仕方ありませんが、リアルサイエンスから積み上げていくと、フェイクサイエンスを見通すことが可能になるのです。

 

 

それでもリアルサイエンスは関係ない!マスクは必要だ!と洗脳されている方へ。それを他人に強要してはなりません。

 

 

「マスクを着用すべきだVSマスクを着用すべきでない」に分断統治(divide&conquer)するのが目的であることを知っておきましょう(これも立派なソーシャル・ディスタンシング)。

 

 

こうやって大衆どうしをいがみ合わせることが、権力者たちの常套手段であることを頭の片隅に置いておいてください。

 

 

 

 

 

世の中には、「マスクは効果がある」という意見もあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

相関関係だけでさっさと結論を出すのはダメだろ...と思っていたら、これに対しても崎谷博征医師がより鋭くつっこんでいました。

 

 

 

『崎谷博征医師facebook』より引用

 

 

『「マスクが感染症予防に最も有効」はフェイクサイエンス』

 

 

もうこの話題をするのもバカらしいのですが、また民放のテレビが“「マスクは新型コロナ対策に有効」欧米で複数の研究報告”と題して放送をしているyoutubeのリンクをいただきました。

 

 

最新のランセット誌のマスクに関する疫学研究の解析がフェイクであることをお伝えしたばかりですが。テレビ局がどのような論文を元にこのような“戯言”を言っているかを調べると・・・・

 

 

OMG!

 

 

とても目を開けてられないほど、エビデンスレベルの低い2つの論文のみでした。

まさに開けてびっくり玉手箱です。

 

 

誰もやらない(やりたくないでしょう)ので、私が解説していきます。

 

 

まず、一つ目は、なんとニューヨークとイタリアでの後ろ向き観察研究という疫学的調査(Proc Nati Acad Sci U S A.2020 Jun 11;202009637)。

 

 

4月半ば以降にマスクを強制したのちは、少しずつ新規感染者が減少したという相関関係があったといいます(因果関係ではありませんよ)。

 

 

おーい。相関関係は因果関係じゃないと何度言ったら分かるのだー・・・・と叫びたくなる始末におえない内容でした。

 

 

4月末から気温や湿度が高くなるだけでも、通常の感染症の発生率は低下します。

 

 

その他多数の要因(confounding factor)があるので、マスク装着と何の因果関係もない可能性もあるのです。

 

 

しかも、コントロール群(マスク着用なし)との比較のないエビデンスとしては最低レベルの疫学調査です

 

 

つまり、マスクに感染予防効果があるということを証明したい場合は、少なくともマスクをしている場合とマスクをしていない場合(コントロール群、比較対象群)を比較して、感染率の比較をしないといけないのですが、それさえもやっていないのです。

 

 

ちなみに、この疫学的調査では、ソーシャルディスタンシング(social distancing)や自宅隔離などには感染予防効果はないとしています。

 

 

気を取り戻して2つ目をみていきましょう。

 

 

これは、実際の臨床とは何の関係もない数理モデルなる単なるコンピュータ趣味レーションでした(Proc.R.Soc.A476:20200376)。

 

 

数理モデルというのは、仮説の上に仮説が積み重なって成り立っている計算なので、仮説が強固なエビデンスでない限りは、話になりません。

 

数理モデルの計算の前にその前提となる仮説を証明してもらいたいものです。

 

 

とほほ・・・

 

 

日本のテレビ局というのは、周回遅れも周回遅れですが、ここまで酷いものとは思いませんでした。

 

 

世界はもうすでにフェーズ2に突入して、いよいよ国家が解体されていく段階に入っていると言うのに、この時点でマスクを強要するプロパガンダをしているとは牧歌的もいいところです。

 

 

専門家を含めて大衆を洗脳するのであれば、せめて先日解説したランセットの最新の論文くらいをベースにしてプロパガンダしないといけません。

 

 

中国では浙江、河南、湖南の三省で4月、体育の授業中にマスクを着けて走っていた中学生が死亡する事故が起きています。

 

 

マスクがどれだけ意味がないばかりか、危険なものであるかは再度次回お伝えしていきますね。

 

 

 

アビガンで、新型コロナの感染者が回復しています。

 

 

透析をしている人、80後半の人も回復しています。副作用もほとんどなく(どの薬にもあるような程度)安全な薬です。

 

 

 

女性は未来永劫子供ができないとか、精子がダメージを受ける...といった話がでていますが、デマです。アビガンの成分は、一週間で尿と共に排出されます。

 

 

 

妊婦はダメです。それ以外の人は飲めます。

 

 

 

 

広く流通するのは6月だったのですが、7月と言いだしています。

 

 

 

アビガンは700の病院で使えるようになったそうですが、全国の病院のうちの約一割です。

 

 

 

しかも、その病院がどこなのかが分かりません。

 

 

 

厚労省に問い合わせても、アビガンを作っている会社に問い合わせても、教えてくれないそうです。

 

 

このような声が上がっているので、アビガン治療をしているであろう病院が分かり次第追加していきます。

 

 

 

利用を考えている方は、事前に確認して下さい。

 

 

 

ニュースや症例から特定できた病院

 

 

ニュースや症例数が確認できる記事から分かった病院です。根拠となったリンクを貼っておきます。

 

 

 

独立行政法人 地域医療機能推進機構 船橋中央病院

 

 

http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_casereport_200402_1.pdf

 

 

東京品川病院 呼吸器内科 東京品川病院 外科

 

http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_casereport_200409_1.pdf

 

 

 

日本赤十字社伊勢赤十字病院 感染症内科

 

http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_casereport_200415_6.pdf

 

 

山梨大付属病院

 

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200403-00000562-san-hlth

 

 

東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 総合診療部

 

http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_casereport_200415_7.pdf

 

岡山大病院(岡山市)、岡山市立市民病院(同市)、倉敷中央病院(倉敷市)、津山中央病院(津山市)

 

http://medica.sanyonews.jp/sp/article/13739

 

名古屋大学医学部附属病院

 

http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_casereport_200415_2.pdf

 

 

 

情報ソース不明な病院

 

 

こちらはネットで拾ったものですが、どうやって特定したのか不明なので、確認を取ってみて下さい。

 

 

 

東京都保健医療公社荏原病院

 

奈良県立医科大学附属病院

 

聖マリアンナ医科大学病院

 

藤田医科大学ばんたね病院

 

市立旭川病院

 

神奈川県厚生農業協同組合連合会 相模原協同病院

 

公立大学法人 横浜市立大学附属病院

 

大阪急性期・総合医療センター

 

愛媛県立中央病院

 

公立陶生病院

 

岡崎市立愛知病院

 

下関市立市民病院

 

杏林大学医学部

 

国立病院機構金沢医療センター

 

成田赤十字病院

 

済生会新潟病院

 

鳥取県立厚生病院

 

伊勢原協同病院

 

春日井市民病院

 

八尾徳洲会総合病院

 

岡山市立市民病院

 

 

 

 

http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_casereport_200402_1.pdf

 

 

 

ファビピラビルを早期投与し軽快した 80 代後半の COVID-19 肺炎の 1 例

 

独立行政法人 地域医療機能推進機構 船橋中央病院

 

石川 哲 中山 静 小島 彰

 

 

症 例

 

症例:80 歳代後半女性。

 

主訴:発熱、呼吸苦、咳嗽、食欲低下

 

既往歴:2 年 3 ヶ月前に横行結腸癌にて右結腸切除、

 

13 ヶ月前に誤嚥性肺炎、11 ヶ月前に胆石にて胆囊摘出術。他に高血圧、高脂血症、骨粗鬆症あり。

 

 

生活歴:喫煙歴、飲酒歴ともになし。海外渡航歴なし。

 

 

現病歴:認知機能も ADL も年齢相応であり通常生活が可能であったが、介護施設でリハビリテーションを行っていた。

 

 

 

X-10 日夕から咳軟と微熱が出現した。

 

 

X-6 日に 38 度台まで発熱し、食欲が低下、労作時呼吸困難と倦怠感、歩行時の SpO2 低下が観察された。

 

 

X-5 日に近医で投薬を受けるも症状軽快せず。

 

 

利用していた介護施設のリハビリ担当者が COVID-19 感染者と判明し、X-1 日に A 病院で COVID-19 PCR 検査を受けた。

 

 

X 日に COVID-19 PCR 陽性と判明、治療目的に当科入院となった。

 

 

入院時所見:意識清明。身長 156cm、体重 51kg。体温 38.0°C、脈拍 113 回/分、 血圧 131/67mmHg、呼吸数 20 回/分、SpO2 97 %(鼻カヌラ 1L/分)。

 

 

入院時検査成績(Table1):白血球数は正常であったが、リンパ球数減少、異型リンパ球が観察された。

 

 

入院時画像所見:胸部 X 線写真 (Fig.1A)にて左下肺野外側に陰影、CT(Fig.1B)にて、左下葉外側に crazypaving パターンを伴うスリガラス陰影を認めた。

 

 

入院後経過(Table 2):入院当日(X 日)、ファビピラビルの適応外使用となる投与について、ご本人、ご家人に説明し、インフォームド・コンセントを受けた。X+1 日夕刻よりファビピラビル投与開始。

 

 

X+3 日朝から労作時呼吸困難、食欲低下が消失。

 

 

X+4 日朝からは安静時昼間の酸素吸入が不要となり、37.5℃未満へ解熱した。画像の悪化は遷延し、夜間仰臥位でのSpO2 低下が見られたが、双方とも緩徐に改善した。

 

 

X+16 日より PCR が連続で陰性化し、X+18 日退院となった。

 

 

ファビピラビルによる有害事象として、報告されている AST や ALT の増加や下痢症状はなく、好中球数減少は X+4 日 に 3,600/μL であった。

 

 

X+7 日8.4mg/dL と尿酸値増加があり、X+8 日よりフェブキソスタット 10mg を内服開始し尿酸値は徐々に減少した。

 

 

いずれもファビピラビル投与継続に大きな支障とはならなかった。

 

 

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最初、他の薬を使用して悪化して、アビガンを投与して治る...というケースが多いです。

 

 

今回紹介するのも、そういったケースです。

 

 

http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_casereport_200415_6.pdf

 

 

発症 8 日目にファビピラビルを投与し、翌日から急速に改善した COVID-19 肺炎の 1 例

 

 

日本赤十字社伊勢赤十字病院 感染症内科

 

坂部 茂俊 田中 宏幸 中西 雄紀 豊嶋 弘一

 

 

症 例

 

 

【症例】30 歳代男性

 

 

【主訴】発熱

 

 

【既往歴】なし

 

 

【嗜好歴】過去に喫煙あり。機会飲酒あり。

 

 

【現病歴】

 

 

2020 年 3 月某日から発熱があり、その後右耳奥の違和感と右頸部の痛みを自覚した。

 

 

新型コロナウイルス感染症患者との明らかな接触歴はなかったが、発熱 4日目に受診した医療機関で RT-PCR 法による遺伝子検査を受けたところ SARS-CoV-2 陽性であったため新型コロナウイルス感染症と診断され、翌日(第 5 病日)当院に入院となった。

 

 

 

【入院時現症】

 

意識清明。倦怠感、右頸部痛、味覚障害、嗅覚障害あり。呼吸器症状なし、呼吸音清明、心雑音なし。消化器症状なし。中肉中背、BMI 約 24。体温 38.2℃、血圧 132/80mmHg、脈拍数 90 回/分、呼吸回数 15 回/分、SpO2 97%(室内気)。

 

 

【入院時血液所見(Table1)】

 

 

白血球数は正常でリンパ球数は 1,273/μL だった。CRP 値、LDH 値の軽度上昇があった。

 

 

【入院後経過】

 

 

基礎疾患のない若年者で現在喫煙習慣なく全身状態が良好であったため、軽症と判断し血液検査のみ実施した。

 

 

 

ファビピラビルの適応外使用に関する院内手続きを進め患者に治験の説明をしたが、積極的に使用を勧める状況ではないと判断し、前医から処方されたアセトアミノフェン 400mg/回・頓用を継続し他の薬剤は追加しなかった。

 

 

 

入院翌日以降 38℃台の高体温が続き徐々に倦怠感が強くなった。

 

 

 

第 6 病日から乾性咳嗽が出現し呼吸回数が 17 回/分まで増加し、SpO2 95%(室内気)に低下した。第 8 病日には労作時呼吸困難感の訴えがあった。

 

 

 

このため第 7 病日以降検査を追加した。

 

 

 

第 7 病日の胸部単純X線写真では右下肺野に淡い網状陰影が出現し(Fig.1)、第 8 病日の胸部 CT では両側全肺野に多発性に斑状陰影が確認された(Fig.2)。

 

 

 

また第 8 病日の血液検査では入院時と比べ血小板数の低下、CRP 値、LDH 値、AST 値、ALT 値の上昇が認められた(Table 2)。

 

 

 

症状、検査データともに増悪し、さらに急激な悪化のリスクがあるものと考えられた。この内容を患者に説明したところファビピラビルの使用を希望した。

 

 

 

あらためてインフォームドコンセントをおこない、効果に期待をもつものの現状でエビデンスが不足した治療であることを強調して投与を開始した。

 

 

 

投与方法、投与量は 1 日 2 回内服で初期の 2 回は 0.9g/回、後は0.4g/回とし第 8 病日夜から開始した。

 

 

 

投与初日は夜間に SpO2 90%台前半となり酸素投与を考慮したが第 9 病日は体温 36℃台で推移し午後には室内気でSpO2 97%まで回復した。

 

 

 

3 回の下痢があったが第 10病日には軽快した。

 

 

 

第 10 病日に呼吸困難感や倦怠感が軽快し味覚が回復した。

 

 

 

血液検査では CRP,LDH 値が低下し AST,ALT 値は正常値になり、尿酸値が上昇した(Table 2)。

 

 

第 11 病日には平熱が続き嗅覚が回復したが、鼻咽頭ぬぐい液の遺伝子検査結果は陽性だった。

 

 

 

第 12 病日には夜までに乾性咳嗽が消失した。遺伝子検査は実施しなかった。

 

 

 

第 13 病日に実施した血液検査血では血小板数が著増、LDH 値が正常値になり CRP 値はさらに低下した。回復を示す内容であると判断した(Table 2)。

 

 

 

第 13 病日、14 病日に連続して遺伝子検査結果が陰性で退院基準を満たしたためファビピラビルを 15 病日夜で投与終了とした。

 

 

第15 病日の胸部 CT では肺野の斑状陰影は一部に残存するものの改善を認めた(Fig.3)。16 病日に全ての症状が消失し退院した。

 

 

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